気象予報士試験 ~専門知識編 地上気温の観測~
台風16号が非常に強い勢力で台湾と石垣島の間にあり、今後九州に接近する予報ですが、現在福岡は晴れており、爽やかなサイクリング日和です。
さて、本日は気象予報士試験、専門知識の地上気温の観測をテーマにします。
ポイントとしては
- 気象庁は気温は地上1.5、または積雪面上1.5mで観測
- 天気予報の最高気温は午前9時から午後18時までの最高値
- 天気予報の最低気温は午前0時から午後9時までの最低値
- 気象庁で使用している温度計は電気式温度計
- 地上気温は放射平衡、水平温度移流、非断熱変化過程、地形の影響で変化
- 日較差=最高気温ー最低気温であり、乾燥している時や春や秋で大きい
- ℃(摂氏)=(°F(華氏)ー32)×5/9で表される
補足情報としては、気温は観測時点、ちょうどの値で平均値などではありません(ある意味、瞬間値)。また、観測結果に補正は行いません。標高なども考慮しません。
天気予報で発表している最高・最低気温は上記の時間帯の値ですが、統計などの長期的なデータで残す場合は午前0時から24時間の時間帯での値になります。
電気温度計は白金温度計とも言います。気温が高いと白金抵抗値が大きくなります。金属の電気抵抗値を使用しているため数秒の気温変化には精度が悪いです。センサー付近に5m/sの風が当たるようにファンも取り付けられています。また、通風筒の下端は地上1.5mにあります(地上1.5mの空気をセンサーに当てるため)。ファンのモーターの熱がセンサーに当たらないようにファンはセンサーの上部についています。
(画像は気象庁のHPから。今度アメダス探して撮りに行こう…)
電気式温度計の他には金属製温度計、ガラス式温度計などがあります。金属製は膨張率の異なる2枚の金属板を使用しており、精度は低いです。1℃程の誤差があります。ガラス製温度計は水銀温度計とも言い、理科の実験でお馴染みのやつです(今は電気式かな)。
放射平衡は日光などの放射によるもの、水平温度移流は風によって暖かい空気や冷たい空気が流れてくること、非断熱変化過程は雨が蒸発して温度が下がるなど、地形はフェーン現象によるものなどです。これらはまた次回以降、詳しく説明できたらと思います。
日較差は乾燥している日の方が大きいので雨の日より晴れの日が大きくなります(一概には言えませんが)。確かに春の晴れた日は10℃以上日較差がある日もありますもんね。ちなみに海面温度は1日に0.1℃程しか変化しません。ただ、台風が通過すれば海水がかき混ぜられ1~2℃下がります。
この記事を書いている間に福岡の気温がグングン上がっています。台風からの南よりの暖かい風が九州に来ています。あとはよく晴れているので放射によるものですね。サイクリングどうしよう…
(気象庁のHPより)